新聞効果も捨てたもんじゃないな
委員長として
内部でも外部でも力を尽くした鈴木さん。
活動のなかで、卒業後の道筋が現れてきました。
彼女の「今」にせまります。
実行委員の活動は、大学3年生でおしまいなんですね。
大学4年生は就活になるので。大学3年生の時に、私は委員長をやりながら広報担当もやっていました。人手不足だったので。
協賛を集めたりしたんですか?
パンフレットの広告協賛を集めるのがメインです。電話をかけるってなった時に、実績のあるところは、なるべく負担のかからない1年生にまわして。3年生は、新しいところに電話をかけ、新規開拓係。私の時はなかなか伸び悩んで。
ただ、私たちの代は、新しい仕事でいっぱいいっぱいだから、もうそれは仕方がないなと。だから、そうならないように、後輩たちには「来年以降は新規取ってね」って。そうしたらちゃんと協賛社も、物をもらう物品の方も、広告の方も増やしていて。良かったです。
後輩たちは、どうすればより良くなるか見ていますね。
さらに良くしようって動いてくれたから良かったです。
藤大の大学祭、近所の人しか来ていない気配だったんです。芸能人が来るってなるから、Twitter とかネットとかもバズるけど、そこにお金をかけずに、もうちょっと多くの人に知ってもらいたいなと思いました。いろいろ印刷会社の人たちと話すことがあって、「チラシをやってみない?」と言われたんです。「何千部まいたら、何万円ですよ」という話をなるほどと思って考えていた頃に、インターンシップで、今働いている道新に行ったんです。
インターンシップで道新へ。
道新に行って。座学が終わって帰る時に、今私が働いている営業局なんですけど…営業の人が話していて。私は新聞広告の単価がわからなかったから、「新聞広告って出したら、どれくらいですか?使えるお金は 15 万円くらいなんですけど」って聞いてみたんです。その営業の人がいろいろとがんばってくれて、「学生が出したいって言ってくれるなら、特価でもいいじゃないか」と。
こっそり学割?
こっそり学割してやってもいいんじゃない?って話をしてたって、あとから聞いたんですけど。そういうことがあったんで。それが今の仕事に繋がっているっていうか。掲載してもらった新聞は、「さっぽろ 10 区(さっぽろトーク)」、別刷の薄めの新聞なんですけど。それに載せたことによって、全然違うターゲット層の人が来てくれるようになったので、新聞効果も捨てたもんじゃないなと思ったんです。
道新で話を聞いているうちに、「自分もこういうのがやりたいな」ってことが見つかって。「ここに入社したいな」って思ったんです。
新聞社というと、記者さんが記事を書くくらいしかイメージがなかったけど、行ってみたら、今、自分がやっているようなことの改善策を打ち出せるような部署があり、おもしろいなと。
おもしろいなと思って。それに進もうかなと決めました。
インターンシップは、どうやって行き先を選ぶんですか?
サイトやアプリ、企業の合同説明会。とりあえず合同説明会に行って、いろんな企業の話を聞いて、興味ありそうな企業の QR コードを読み込んでおこうみたいな感じですね。
道新以外にも行ったんですか?
3つくらい行きました。
道新の営業部が、一番自分にしっくりきたんですね。
営業だけじゃなくて、イベントもできるって話を聞いて、いいなと思いました。
仕事も興味があったし、ここならやりたいことができそうだし。お給料もそこそこいいし。転勤もあるけど、自分も転勤族だったから、ま、それはそれで仕方ないだろうと思いました。マスコミで受けたのは道新だけでした。
それ以外は、お菓子メーカー、広告代理店、「北電」、「ぎょれん」など、ジャンルばらばらでいろいろ受けました。私の就活は「北海道に貢献できる仕事」と「多くの人とコミュニケーションが取れる仕事」という2つの軸をもってやっていました。
ちなみに、内定は他にも?
30 社くらいエントリーシートを出して、最終的に内定は5社でした。北海道新聞、北海道ガス、日本ハムの販売系、日本郵政の地域職と共栄火災ですね。
今、鈴木さんが所属している仕事の内容を教えてください。
私は、新聞広告の営業をしています。あと新聞広告以外にも、藤も載っている『道新受験情報』だったり、クライアントに絡むイベントだったり就活系のイベントなどいろいろやっています。特に本社の営業は業種でクライアントが分かれていて。その中でも私は病院とか学校。医療、教育みたいなジャンルでのクライアントに営業に行ってます。
今は、病院と学校をメインに回っているの?
そうです。ただ、病院は専門的な知識も多いから、最初の1年間は学校系がメインでした。いま少しずつ、医療系も振ってはもらっています。あとは広告代理店の人と連携しています。
まずは学校のこととか塾とか学生時代に近い存在のところから。自分も私立に行っていたので、私立の話はできるなって。石川先生のお名前を出すと、みんな「すごくいい先生ですよね」って。「大変お世話になっています」って、どこの先生も。校長先生とかとお会いすると、その話が絶対に出てきます。
1年目はどうでしたか?
入社後2週間、研修するんですけど、基本、記者の話なんです。会社を知ろうみたいな感じで。営業の畑に急に「はい!配属」ってなって、一日だけ、研修という名の挨拶まわりみたいなのをして、次の日から「君の担当はここね!」って(笑)。戸惑いは最初ありましたけれど、周りがいい先輩・上司だったので色々とフォローしてもらったりしてどうにか3年目を迎えることができそうです。
希望の営業職に配属されて、よかったですね。
そうですね。営業職といっても、マラソンだったり、ほっかいどう大運動会とか花火大会担当ということもあります。やる部署もあれば、あとは販売って、新聞購読の販売所の方といろいろ調整したり、販売促進どうしたらいいとか、あとは経理系の、総務系の配属は一斉にがらがらポンなんですよ。
大変だなって思う時はどんな時でしょう。
若手ということで色々な企画チームや部署横断の取り組みに参加している時ですね。ただ、いろんな経験も出来て、いろんな人と出会えるからいいんです。あとは新聞広告を売りに行っても、新聞はちょっと読んでない世代だからとか。
もうちょっと、若者にも読まれるような新聞を作ったり、企画を作ったりしないと。そこは大変です。
楽しいことは何でしょうか。
自分のやりたいことはけっこうやらせてもらっています。
一年目の時でも、ビッグスポンサーの大塚製薬さんの仕事を任せてもらって、先輩の人が作った台本みたいなのはあるけれど、それを今年バージョンに手直しして、新しくやりました。病院の先生や、アナウンサーの方ともやりとりして、自分で1つのイベントを作り上げた感はありました。
やりがいがあるわけですね。自分の変えられる融通が1 年目であってもあるんですね。
1年目でいえば、代々木ゼミナールとコラボしたイベントもありました。そういった企画も一年目でやって、ちょっと改善していこうとか気づくことはありましたね。
今の若者には珍しく、言われたことだけやるんじゃなくて、アレンジ加えて。
そうなんです。待っててもダメだなっていうのは。
なんでそんな風になれたのでしょう。
それは自分ではよくわからないですけど。転校を小さい時に数回経験したのはけっこう大きかったですね。あと、藤の毎年のクラス替えで、いろんな子たちと交流していたのもありますかね。修学旅行の班を決めるのに、1時間みたいな。涙あり笑いありの。
仕事で、うれしいことってなんですか?
やっぱり、自分の意見が通ったり、変えてこうってなったりっていうのはうれしいです。
具体的には、どんなことが採用されたとか覚えてますか?
コロナ禍だから「私学展」がなくなったので、中学校・高校の合同説明会をオンラインでやりませんか?って提案して、まあまあな集客はできました。それも実際は就職のイベントで、オンラインの合同説明会に、私が若者として、その企画の運営にも参加していたから、提案してみようと思ったんです。
藤の教育で、社会で役に立っていることがあれば教えてください。
自分の個性が出せるところは良かったと思います。やっぱり、個を出せないで生きている人たちもいますから。共学は特にそうなのかなと。勝手なイメージです。
藤では、性別がない世界で生きていますね。
そうです。だから、今の会社は、男性職場で。普通にモノとか持とうとしても、みんな「いいよ持ってあげる」と。私たち、学校祭の時に教壇とか屋台とか運んでましたけど(笑)。
今後の展望を、教えてください。
今の仕事が4月から3年目に入りました。たぶん、後輩も少しできたり、経験を積んで、今後支社をいくつか回りたいですね。いま、採用活動にも携わっています。就活講座っていうのがあって、就活生に就活のノウハウを教えます。
北海道版のリクナビ、マイナビの感じで、ジョブタスっていうのがあって、そういったところで就活生とふれ合ったり。いずれは採用関連にも携わりたいと思っています。
人事関係ですね。
営業でノウハウとか会社の内情とかを理解したうえで、今度、入ってくる子たちに会社の良さを伝えたいです。
小学生の子どもたちに、メッセージをお願いします。
自分が「自分らしく」いられる、「個」が大切にされる場所です。のびのびと、本当に自由に。個々が生きるような環境で、勉強ができると思います。「女子だけの世界だから青春は出来ないんじゃないの?」と思うかもしれません。そんなことありません。「女子だけだからこそ出来る青春」もあります!北海道、日本、世界で羽ばたき輝く先輩方がたくさんいます。皆さんもぜひ、そんな藤っ子になってみませんか?
撮影場所:北海道新聞社 札幌本社・SAPPORO Incubation Hub DRIVE
インタビュアー・ライター/新山 晃子
カメラ/中村 祐弘
編集/高橋 巧