進路について OGの活躍
進路について OGの活躍
日本航空株式会社 齋藤 友香理 62回生
第2話

負けず嫌いで、中途半端はすごくイヤ

あのとき憧れた先輩のように、清楚で可憐な齋藤さん。
彼女には、白鳥のように影ながら努力を続ける強さがありました。
ひたむきな頑張りによって、得たものは・・・。

小学生の時から東京の大学を志望し、それが具体的になったのはいつ頃ですか?

中学3年生の時の、校長面談ですね。その中で志望校についてのお話もあり、どこの大学に行きたいかを徐々に考えるようになりました。

成城大学を目指したのは、いつですか?

実は、現役の時は他の大学を目指していたのですが、それがだめで・・・。もう1年やってみようと思ったときに、成城大学を知ったんです。高校生になったばかりの頃に、「心理学を学びたい!」と思い、東京の大学を探しました。正直、現役のときは、成城大学を受けようと考えたことがなくて、候補にもなかったんです。でも、ちょうど浪人するというタイミングで、東日本大震災があって・・・。家族と「横浜に住んでいる兄の家にすぐ行けるところがいいね」という話になって、その条件も含めて探していたところ、成城大学を見つけたんです。兄の家にも行きやすく、心理学も学べて、評判も良さそうだったので、第1志望として入りたいと目指すようになりました。

現役のとき、妥協しようとは思わなかったんですか?「受かったところのどこかに入ろう」って・・・。

妥協ができなかったんですよね。

そこが、意外ですよね。見た目はおっとりしているのに。

よく意外と言われますが、すごく負けず嫌いなんです。秘めた一面でしょうか・・・(笑)。

リーダーとかになりたいわけじゃないんですよね、齋藤さんって。

はい。そうではないんです。

だから、立候補とかあまりしないので、在学中は「負けず嫌い」感があまりわかりませんでした。

あまり目立たないように静かに過ごそうと思っていたので(笑)。でも、物事を途中で投げ出したり、できないと決めつけて最初から諦めることは好きじゃないので、在学中もひそかに負けず嫌いでしたよ。

もう一回がんばろうと、それで成城をみつけ、入ってみてどうでした?

入って正解でした。のんびりとした雰囲気も合っていたと思いますし、学びたいことも思いっきり学べる環境でした。大学で知り合った友人とは、卒業した今でもすごく仲良しです。ほぼ月1ペースで休みの合う日に会っています。

珍しいですね、社会人で。

そうなんですよ。わたしも友人も、ちょうど平日のお休みが合うので。

大学時代、一番頑張ったことは?

勉強ですね(笑)。

それは一般的に、珍しい気がしますが・・・。

先程も言いましたが、負けず嫌いで中途半端がすごくイヤなんです。やるなら最後までしっかりやろう、勉強するならちゃんと成績を残そうという思いがあったのかもしれません。あと、兄が歯学部だったんですが、それでも1年も留年せず卒業したので、わたしが留年するのは恥ずかしいな、負けたくないなというのもありました。それに友人も皆ちゃんと授業を休まず出ていたので、自然とわたしも頑張らなきゃと思えました。

成績が“すべて優”は、いつから?

1年生からです。

4年間?

はい。

1年目に“すべて優”で、「じゃあ来年も」と?

思いましたね。1年生の時に、特待生として表彰していただいて、「頑張ると、こんなことしてもらえるんだ」と思って。自分の頑張りを認めてもらえたようで嬉しかったんです。

勉強、人生で一番頑張った?

はい。受験より頑張ったかもしれません(笑)。

こんなに頑張ったら、ここまで結果がついてくるんだ、と。その結果、首席に。予感は?

3年連続で特待生として表彰していただいたので、正直ほんの少しだけ期待はありました。両親も同じように期待していたと思います。卒業が確定した時、「あとで来てください」とわたしの名前が書いてあって、その時実家にいたのでそのことを友人に教えてもらいました。大学に電話をしたところ、「答辞を読んでほしい」と言われたんです。実際首席になって嬉しかったですが、まったく実感がわかなくて・・・。それよりも、人前に出ることがそれほど得意ではないので、多くの人の前で答辞を読むなんてどうしようという気持ちばかりでした(笑)。

大学の学位授与式で答辞 大学の学位授与式で答辞

もちろん、お父様お母様が式にいらっしゃった?

はい。万全の態勢で(笑)。カメラとビデオカメラ両方を持って来ました。両親ともに非常に喜んでいましたね。今でも両親と答辞を読んだときの話題になるくらいです。

齋藤さんが大学のパンフレットに載った写真、拡大して進路室に飾ってます。

え~、そうだったんですか!ありがとうございます・・・(照)。

齋藤友香理さん 写真2

実は、このことを教えてくれたのがお父様で。ちょうどうちの生徒がお父様の病院に看護実習に行った時、生徒に学校宛のお手紙を持たせて下さって。その中に、「自慢の娘です」って、直筆で書いてあって、それを読んだ時、感動して涙が出ました・・・。

そうなんですか!ありがとうございます。わたしも少しは親孝行ができたのかなと嬉しかったのを覚えています。
在学中頑張っている間は、すごく大変でした。コツコツ地味に勉強しているなんて、先生もわからないじゃないですか。でも、3年連続特待生として表彰していただいて、最後に1000人以上もの人の前で答辞を読んで。手が震えるほど緊張しましたが、今ではいい思い出です。4年間辛いときもあったけれど、頑張ってきて良かったと心の底から思いました。

それは、「自慢の娘です」って言いますよ。引き延ばして、写真を貼っているのでは?

病院の父の部屋に行くと、わたしの写真が何枚か飾ってあります(笑)。

親御さんは、娘が6年間藤で過ごしたことについては?

両親ともに「良かった」って言っています。藤の話、今でもたまに出るんですよ。
会社で「こういう身だしなみを心掛けましょう」という場面でも、藤での決まった規則の中で6年間過ごしてきたので、わたしはそれにあまり抵抗感を感じなくて。社会人になった今でもすんなり受け入れられるのは藤での教育のおかげです。挨拶であったり、目上の人に対する礼儀であったり、藤で学んだことが活きていると思うので、両親も良かったと感じていると思います。

では、藤を希望する小学生の親御さんに対してメッセージをお願いします。

社会人になるに向けての教育をしてくれます。卒業や大学入学がゴールではなくて、その先に役立つような教育をしてくれる学校です。

大学入学がゴールじゃなくて。

そこは飛び越えちゃっている気がするんです。幼いうちから、社会に出るための振る舞いや言動を身につけていく、6年生が終わりではないです!


撮影場所:新千歳空港
インタビュアー/新山 晃子
カメラ/中村 祐弘
編集/松永 大輔
デザイン/清水 麻美